----補足説明----
森で見つけた果実を２つ採るまでは大丈夫だが
３つ目を採ろうとすると、密かに待ち構えていた魔物に
かぶりつかれる。
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　＃　採るか採らないかの選択肢（３回目）


（最後にもう１個だけ食べようかな）


　★　効果音：ガサガサ
　★　シーンイラスト１に切り替え


アーシャがそう思って果実に手を伸ばすと
突然視界が真っ暗になった。


【アーシャ】
「なっ！？　むぅんん！？」


それは一瞬のことで
アーシャは自分の身に何が起こったのかを
直ぐには把握出来なかった。


木の上でずっと身を隠していた魔物が
アーシャの顔を大きな口ですっぽりと
咥えてしまっていた。


【アーシャ】
（やだっ、何なの？　くっ、この！）


顔が唾液のようなものでビチャビチャになる。
ツンとした臭いが顔の周りに立ちこめ、鼻を突く。


【アーシャ】
（うぅ、鼻が・・痛っ・・
　早く逃げ出さないと・・・）


足を振って体をねじっても
手で魔物の口を押し上げようとしても
圧迫が強くて逃げ出すことが出来ない。


【アーシャ】
（このっ！　放せぇ！！）


　★　エフェクト：炎


アーシャは外に出ている手から
頭上に向かって炎を放った。


しかし、魔物は炎の耐性でもあるのだろうか
意にも介せずにアーシャを飲み込んでいく。


　★　シーンイラスト２に切り替え


【アーシャ】
（そんなぁ！？　このっ！　このっ！）


必死に魔物を殴ったり引っ掻いたりしたが
魔物のぶよぶよした体には何の効果もない。


何とかこれ以上飲み込まれまいと
腕を引っ掛けて堪えようとするが、


魔物の舌が腕を舐め回して滑りやすくしたり
絡みついて引っ掛かる腕を外そうとしたりして
徐々に徐々にアーシャを口内へ運んでいく。


【アーシャ】
（こうなったら・・・
　内側から全力で焼き払う！！）


そう思い、魔力を練り始めたアーシャだったが
自分の体に起きる異変にようやく気づき始めた。


【アーシャ】
（・・・え？　あれ？　頭が・・・　ふぇ？）


まるで霞がかかったように頭がぼんやりとして
一瞬、意識が飛びそうになった。


それは顔を覆われてからずっと
嗅がされていた口内に充満する
臭気の麻酔作用のよるものだったが


そんなことに気づけるほどの
はっきりした意識は
アーシャにはもう無かった。


【アーシャ】
（うあぁ！？　何してんの！？
　早くこいつを黒焦げにし・・て・・・）


はっと我に返るが、また直ぐに
酷い倦怠感に襲われ、腕に入れていた力も
だらんと抜いてしまった。


　★　シーンイラスト３に切り替え


そして、そのままするりと
全身を飲み込まれてしまった。


【アーシャ】
（だめ・・だよ・・
　こんな・・とこで寝たら・・
　風邪をひいちゃうってば・・・）


既に自分が生命の危機に晒されていることさえ
分からなくなってしまったようである。


【アーシャ】
（・・・えっと・・・何だっけ？
　・・・・まあ、いいや・・・・・
　・明日・・起きたら・・考え・・よぅ・・）


これから消化され骨だけになる身とは
思えないほどに安らかな気持ちで
永遠の眠りにつくのであった。