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蟲の大群(ハード)



・場所:草原 (クリックで画像表示)

・必要なイラスト数:1枚   1.大量の蟲がアーシャの全身を包み込んでいるシーン。
  イメージ画像その1:イメージはこんな感じですが、描くのがものすごく大変ですよね。
  イメージ画像その2:このくらいアップにしたとしても大変ですよね。
  何か黒いもぞもぞしたものでも描いてごまかす感じが良いのだろうか。
  ともかく、大量の虫に襲われてる感じが出ていれば構図は問いません。




 ★ シーンイラスト1に切り替え


アーシャの動きが鈍った瞬間を、
蟲たちは逃さなかった。


降り注ぐ放水のごとく、
牙を剥く大蛇のごとく、
アーシャを目がける。


【アーシャ】
「きゃあああああああああああ!!」


蟲たちがアーシャの全身を包み込む。


【アーシャ】
「くっ……この……っ!!」


ブブブブブブブブブブブブブブブ――


アーシャの肌に吸着した蟲たちが
体を震わせ出し、強烈な羽音が立つ。


【アーシャ】
「!! ぅああああっ!」


アーシャは腕と脚を、蟲の付いた手で
かきむしり、蟲らを追い払おうとする。


しかし無数の相手には無駄な抵抗。


火にくべられたように熱い。


鉄板で焼かれるような熱量。


【アーシャ】
「はっ……はっ……!……
 やだっ……! ぃや……!」


呼気を荒くして、
顔を覆われて視界を失ったアーシャは
地面に転がり、蟲たちを押し潰そうとした。


だが存外柔らかい蟲たちはそれを苦とせず、
アーシャ自身が、気持ち悪さを
再認識しただけに終始する。


それどころか土で覆ってしまい、
逃げ場の一つを失った熱がこもる。


【アーシャ】
「!! あああああああっ?!……」


突然、全身にまんべんなく激痛が走り、
アーシャは悲鳴を上げた。


強引にひん剥いた目は蟲の羽と、
気持ちの悪い節足部分を間近に見ただけで、
何が起きたのかが分からない。


【アーシャ】
「痛い! 痛い!
 いやあああああああああああああ!!」


状況を理解できないアーシャは、
ただひたすらにもがき、足掻く。


痛みの正体は、アーシャのきめ細かな肌の、
熱によって開いた汗腺に突き刺された卵管。


蟲たちは汗腺の奥に向かって、
卵管の先から卵を吐き出した。


それは爪あか程度の小さな卵だったが、
汗腺を押し広げるには十分すぎた。


何よりも、その卵の石のように硬いこと。
それが全身の汗腺という汗腺をこじ開ける。


【アーシャ】
「やめ……痛い、痛いぃ! 熱いぃ!!」


【アーシャ】
「いやああああああああああああああああ
 あああああぁぁぁ――――」


 ★ 暗転


……………………


………………


…………


 ★ 背景:草原(シーンイラストなし)


気がつくと、アーシャは一人であった。


蟲の姿は無く、ぽつんと取り残されたよう。


やけに喉が渇いた。
アーシャは体を引きずって、
近くに見える水溜りを目指した。


地べたのまま水溜りに口を付け、
喉を潤そうとする。


ピチャ…………


唇が触れた瞬間、


 ★ 背景切り替え:黒塗り or 黒地に血糊


【アーシャ】
「――!?」


水に反応して、
あごに植えられていたタマゴが孵る。


蟲の幼虫が汗腺を盛り上げて顔を出し、
アーシャの肉を食い破り、
水溜りへと飛び込む。


それに連鎖して、次々とタマゴが孵る。


【アーシャ】
「あ……あ……ああああああ……!!」


その痛みは全身を千本の針で覆われ、
巨大な手に包まれて
もみくちゃにされるような感触だった。


【アーシャ】
「い、あ、あ……あ、い、い……!」


ぷつぷつという音がするたびに激痛が走る。


引きちぎるような痛みのたびに蟲が跳ねる。


――アーシャの額に、
おできのようにあった最後の一匹が跳ねる。


【アーシャ】
「――………………」


アーシャは虚ろな瞳をして水溜りを見た。


自分の肉を引き裂いた、蟲の幼虫たちが、
嬉しそうに水面を泳いでいる。


それを背景にして、
血だらけの自分の顔を見る。


アーシャは生きている。


――――体が動かない。


幼虫の生まれた後のタマゴの殻が
アーシャの肌に残り、凝固。
身動きを完全に封じている。


恐るべき蟲の生態だった。
タマゴの土台として利用した後は、
なるたけ新鮮な餌として逃がさない。


アーシャは正座する体勢のまま
固まっていた。


左右に投げ出される自分の腕に
力を込めるよう命令するが、
何の反応も無い。動かない。


このまま乾いて死ぬか。


それとも生きたまま餌となるか。


アーシャは己の最期を知り、


一筋の涙をこぼした。


……………………


………………


…………


ブブブブブブブブブ――――――


グチュブチュ、ブチッ――――