<アーシャ> こんにちは。 | |
<ギルドのマスター> いらっしゃい。 | |
<少年> よう、待ってたぜ。 | |
<アーシャ> あ、この前はどうも。 | |
<少年> あの時は世話んなったな。 | |
<少年> そういえば、自己紹介がまだだったよな。 エリック・エルステッドだ。 よろしく。 | |
<アーシャ> アーシャ・リュコリスです。 | |
<エリック> で、被害額の請求についてなんだけど・・・ | |
<アーシャ> だから、あれは正当防衛だってば〜。 こっちもいろいろ大変だったし、 痛み分けってことじゃダメ? | |
<エリック> こちとら、人手不足で仕事もできねぇ状況なんだよ。 | |
<エリック> でも、まあ、こっちにも多少の非はあったのは事実だし、 俺の仕事をちょっと手伝ってもらうってことで 手を打とうと思ってるんだけど。 | |
<アーシャ> 仕事ってどんな? | |
<エリック> ここのギルドに今あるSランクの仕事、5つ全部。 | |
<アーシャ> ちょっと、Sランクを5つって、 いくらなんでも多すぎだよ〜。 | |
<ギルドのマスター> まあまあ、アーシャさん、ギルドのためにも よろしくお願いしますよ。 | |
<アーシャ> へ? ギルドのためって、どういうことですか? | |
<ギルドのマスター> うちのエースのアーシャさんをお貸しする代わりに うちのギルドのメンバーに、魔術に関する講義を してもらおうかと思っているんですよ。 | |
<ギルドのマスター> うちのメンバーは魔術に疎い連中が多いのが 悩みのタネでしてね。 | |
<ギルドのマスター> この機会にぜひ、メンバーの能力アップを 図ろうかと思っているんですよ。 | |
<エリック> ちなみに、講師はこいつ。 | |
<魔導師> 先日はどうも。 | |
<アーシャ> あ、あなたは、 | |
<魔導師> おや、何をそんなに驚いた顔をしているのですか? もしかして、私があれくらいで死ぬとでも 思ったんですか? | |
<アーシャ> って、この人がいるなら、別に私が 仕事を手伝う必要なんてないじゃん。 | |
<エリック> いや、さすがに傷が完治してないから、講師をしつつ 体調を整えさせようってわけなんだよ。 | |
<ギルドのマスター> というわけで、私からもお願いします。 | |
<アーシャ> はあ、マスターの頼みならしょうがないですけど・・・ | |
<エリック> そんじゃ、早速、仕事にいくぞ。 まずはファンダリア湖の化け物退治からな。 | |
<アーシャ> (なんか、厄介なことになっちゃったね・・・) |
<アーシャ> (そんなこんなで、湖の近くまで来たけれども・・・) | |
<アーシャ> (うわ〜、まだ魔物の姿が見えてもいないのに 魔物の殺気がビンビン伝わってくるんだけど・・・) | |
<アーシャ> そういえば、どんな感じで戦うか、とか 自分が攻撃するときの合図とか、決めておいた方が いいと思うんだけど。 | |
<アーシャ> ああ、それは大丈夫。 俺は戦わないから。 | |
<アーシャ> えっ、なんで!? | |
<エリック> 今から倒す魔物を、新たな召喚獣にするための 契約の術式を展開するので忙しいから。 | |
<アーシャ> ちょっと、そんなの聞いてないよ〜。 | |
<エリック> 言ってねえもん。 | |
<エリック> ま、あんたなら一人でも大丈夫だって。 てか、一人で戦うことの方が慣れてんだろ? | |
<アーシャ> そりゃあ、そうだけど・・・ | |
<エリック> そんなことより、敵のお出ましだせ。 そんじゃ、よろしく。 | |
<アーシャ> (あーもー、しょうがないなあ!) |
<魔物> ちっ、村のやつらったら、性懲りもなく また、ハンターを呼んできたのね! | |
<魔物> おとなしく、生贄を捧げていれば良いものを・・・ まあ、退屈しなくていいけど。 | |
<魔物> さあ、返り討ちにしてあげるわよ! |