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〜第6話〜

荒ぶる土塊



<少年>
はぁ?
キルアイが倒された!?
<魔導師>
はい、間違いないかと。
<魔導師>
おそらく、エルデバームと接触した2人の
もう1人の方でしょう。
<少年>
なんだよ、さっきのバンダナのねえちゃんは
弱っちかったのに。
片割れはそんな強いのかよ。
<魔導師>
ぜひとも、手合わせ願いたいですな。
<少年>
お前は強い奴と聞くと、すぐ戦いたがるな。
ダメダメ、被害者はできるだけ出したくないから。
<魔導師>
わかっております、冗談です。
<少年>
あっそ、まあいいや。
それにしても、そのもう1人はどうしようか・・・
<少年>
軟禁するには、あそこの遺跡が一番だよな、やっぱ。
<魔導師>
そうですが、キルアイを倒すほどのものを
封印のある場所に送ってしまってよろしいのですか?
<魔導師>
これ以上封印を解かれてしまうと
森の中の監視ができなくなりますが。
<少年>
他にエルデバームに接触したやつはいないんだろ?
<魔導師>
はい、今のところ、エルデバームに近づいた者も
新たに森に入って来た者もおりません。
<少年>
なら、もう1人を捕まえれば他に邪魔者はいないわけだし
最悪、封印が残り2つになっても、作戦に支障はないしな。
<魔導師>
はい、では、森監視の術式を解除して
敵を遺跡へ転送する術式の展開準備をしておきます。
<少年>
ああ、よろしく頼む。
<少年>
あと、大丈夫だとは思うけど、バンダナのねえちゃんに
逃げられたりしないようにな。
<魔導師>
かしこまりました。








<ゼライド>
さってと
ちょっと森で体を動かしとっかな。
<???>
あ、もう起きても大丈夫なんですか?
<ゼライド>
うお! イノシシがしゃべった!?
<ゼライド>
って、なんだ、レナちゃんが上に乗ってたのか
<レナ>
ウリは、とっても乗り心地がいいんですよ〜。
で、もう起きても大丈夫なんですか?
<ゼライド>
ああ、もう大丈夫だよ。
<レナ>
そですか〜、良かったです。
<レナ>
あ、そういえば、さっき、すごかったんですよ。
<ゼライド>
ん? 何が?
<レナ>
さっき、シルファおねえちゃんが、森で誰かと話をしてて
そしたら、突然、ふわっと消えちゃったんですよ。
<ゼライド>
へ? 消えた?
えーと、 その話をしてた誰かってどんな人だった?
<レナ>
緑色の服を着た人でしたよ。
<ゼライド>
!!
もしかして・・・
<ゼライド>
レナちゃん
ちょっとウリの手を貸してもらってもいいかな?
<レナ>
え? はい、べつにいいですよ。
レナはこれからお昼寝しなきゃですから。
<ゼライド>
ありがと
それじゃ俺、急いでるから!
<ゼライド>
いくぞ、ウリ!!!
<ウリ>
ブモ!





森の中


<アーシャ>
(村に戻る頃には応援が来てる頃かな。
 クリスの手が空いてるといいんだけど・・・
 私の知識だけじゃ、不明瞭な要素が多いからなあ)
<少年>
そこのお姉さん、ちょっといいかな?
<アーシャ>
なっ、誰!?
(この子、いつの間にここに・・・)
<少年>
お姉さんにはさあ、
ちょっと大人しくしてて欲しいんだよね。
<アーシャ>
エルデバームを封印したのは、あなた?
<少年>
そうだけど?
<アーシャ>
いったい、何が目的なの?
<少年>
目的? そうだねえ・・・
封印すること自体が目的かな。
<少年>
とにかく、物事が計画通りに進まないの嫌なんだよね。
というわけで、ちょっと一緒に来てもらうよ!
<アーシャ>
(くっ、バインド? でも、この程度・・・)
<アーシャ>
はっ!!
<少年>
(やっぱり効かねえか。
 それじゃ、予定通りでいくか・・・)
<アーシャ>
そっちがその気なら、こっちだって!


アーシャはフレイムバーストを放った。

<少年>
ふん、そんなもん効かね・・・
<少年>
って、おい、逃げんのかよ。
<アーシャ>
(得体の知れない相手と無闇に戦うわけには
 いかないからね。 地の利も向こうにあるし・・・)


正面に転移してくる少年

<少年>
残念、森の中にいる以上、あんたに逃げ場は・・・


ファイヤーボールを放つアーシャ

<少年>
おっと、
逃げ場はないと思いな。
<アーシャ>
(くっ、やっぱり転移魔法が使えるみたいだね。
 しょうがないか・・・)


剣で攻撃するアーシャ

<少年>
よっと、
逃げるのは、諦めたようだね。
<少年>
(くっ、なかなかやるじゃん・・・)


斬撃を食らう少年

<少年>
ぐはっ!
<アーシャ>
(よし、これで・・・)
<背後からの声>
あぶねぇ、あぶねぇ
分身じゃなかったら大怪我だな。
<アーシャ>
なっ!?
<少年>
よし、今だ。
<どこからか響く声>
承知。




<アーシャ>
(え? 何? ここは・・・)
<少年>
ここは、森の中の遺跡さ。
数年前まで盗賊団がアジトに使ってたとこでさ、
罠とかあるから下手に動かない方がいいよ。
<少年>
遅くとも2日くらいしたら出してやるからさ、
ちょっとここで大人しくしててよ。
<アーシャ>
ちょっと、待ちなさい!
<アーシャ>
・・・いっちゃったかあ。
<アーシャ>
(・・・とりあえず、出口を探してみよう)

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