<アーシャ> (ええと、2人はどこかな?) | |
<シルファ> お〜い、お疲れさ〜ん。 | |
<アーシャ> あ、いたいた。 って、あれ?ゼライドは? | |
<シルファ> 移動するには支障ない怪我だったから 一旦あの村まで連れて戻って、休ませといたよ。 | |
<アーシャ> それじゃあ、もう大丈夫だね。 | |
<アーシャ> ところで・・・ | |
<アーシャ> ・・・というわけで、エルデバームのところまで 行ってみようと思ってるんだけど。 | |
<シルファ> 確かに、森の中のことならエルデバームが 一番詳しそうだしな。 | |
<シルファ> 私も森の状況は気になるし、一緒に行かせてもらうよ。 | |
<アーシャ> ありがとう、助かるよ。 | |
というわけで、2人でエルデバームのところに 行くことにしました。 |
<アーシャ> うわー、やっぱ大きいねえ。 お城5つ分くらいは高さがありそう。 | |
<シルファ> 樹齢何年ぐらいなのかねえ。 | |
<???> ・・・タ・・・ケ・・・ | |
<アーシャ> ん? シルファ、今なにか言った? | |
<シルファ> いや、別に。 | |
<アーシャ> う〜ん、気のせいかなあ・・・ | |
<???> ・・だ・・たスけ・く・・・ | |
<アーシャ> あ、また・・・ | |
<アーシャ> もしかして、これが、エルデバームの声? | |
<シルファ> ん〜、私には何にも聞こえないけどな。 | |
<アーシャ> もうちょっと近くまで行ってみようよ。 | |
<シルファ> ああ。 |
<???> ・・誰か、いませんか・・・ | |
<シルファ> お、私にもちょっと聞こえたよ。 | |
<???> 私の声が聞こえる人は、いませんか・・・ | |
<アーシャ> は〜い、ここにいますよ〜。 | |
<???> ああ、やっと私の声が届くところまで 来てくれる人が・・・ | |
<アーシャ> この声の主はエルデバームさんですか? | |
<エルデバーム> はい、そうです。 | |
<アーシャ> 私たち、あなたなら何か森の異変について 知っているかと思って、ここに来たんですけれども。 | |
<エルデバーム> 異変、ですか・・・ 残念ながら、今の私には森のことは全く分かりません。 | |
<シルファ> あんた、この森を統括してるんじゃないのかよ。 | |
<エルデバーム> 1ヶ月ほど前からでしょうか・・・ 私は何者かに機能のほとんどを停止させられていて 近くにいる人に話しかけるのが精一杯なんです。 | |
<アーシャ> いったい、誰がそんなことを・・・ | |
<エルデバーム> わかりません。ただ、このままでは この森はバランスを失い、崩壊の一途を 辿ることになるかもしれません。 | |
<エルデバーム> 私自身の命も、今のままでは長くはもちません・・・ | |
<シルファ> あんたの、その機能ってやつは どうやって止められてんだい? | |
<エルデバーム> 私はこの森の隅々に張り巡らされた根で 森の気の流れを感じ取ったり、気の流れが 調整されるよう働きかけたりするのですが、 | |
<エルデバーム> この場所から根の先までの中継点が計4箇所、 東西南北に用意されていて、その4箇所が 魔術的な封印を施されているようなのです。 | |
<アーシャ> その封印を解けば、機能も回復するということですか? | |
<エルデバーム> そのはずです。 | |
<シルファ> ここに来るまでに出会った、普段見かけない魔物って もしかすると、あんたの機能を封印したやつが けしかけたんじゃないか? | |
<アーシャ> う〜ん、そういう可能性もあるかもね。 ここへ誰かが来るのを阻もうとしている感じがしたし。 | |
<エルデバーム> お願いです。その封印を解いてくれませんか? この森のためにも、どうか、お願いします。 | |
<アーシャ> できるかどうか分かりませんが、とりあえず その封印のある場所へ行ってみようと思います。 詳しい場所を教えていただけますか? | |
<エルデバーム> わかりました。今、あなた方に場所のイメージを お送りします。どうぞ感じ取って下さい。 | |
<エルデバーム> ・・・・・・ | |
<アーシャ> ・・・・・・ | |
<エルデバーム> 感じ取っていただけましたか? | |
<アーシャ> はい、大丈夫です。 | |
<シルファ> あ、ごめん、もっかいお願い。 | |
<エルデバーム> ・・・・・・ | |
<シルファ> よし、来た来た、もう大丈夫。 | |
この後、私たちは、エルデバームさんに 私たちの知る限りの森の状況と、ここに来るまでに 出会った魔物などについて伝えました。 | |
私の出会ったシーサーペントについては エルデバームさんも、そんな生き物が湖に 生息してるとは思えない、とのことでした。 | |
<アーシャ> それじゃあ早速、4つのうちのどれかに 向かってみようと思いますので、私たちはこれで。 | |
<エルデバーム> はい、どうかよろしくお願いします。 |
<アーシャ> う〜ん、どうも、しっくりこないんだよね。 | |
<シルファ> ん? 何が? | |
<アーシャ> 封印をした人が、封印を解かせないために魔物を 召喚か何かしたとして、そんなことをする目的が 何なのかが、思い当たらないんだよね。 | |
<アーシャ> エルデバームさんを封印して得する人なんて いるのかなあ? | |
<シルファ> 敵国がうちらの国の生産力を落とそうとしてるとか。 | |
<アーシャ> それなら、森に直接損害を与えた方が 効率的なんじゃないかな。それに、そういう場合に 森よりも狙いやすいところはいくらでもあるし。 | |
<シルファ> ま、そんな難しいこと私にゃわかんねーや。 封印を解いてるうちに何か分かるって。 とりあえず、場所に行ってみようぜ。 | |
<アーシャ> う〜ん、また魔物が待ち構えているかもしれないし、 状況を正しく判断するためにも、 街の方から応援を呼ぼうと思うんだけど、 | |
<アーシャ> 今から手紙を書くからさ、街にいる私の知り合いまで 届けてもらえないかな? | |
<シルファ> 別にかわまないけど、あんたが直接会いに行った方が いいんじゃないのか? | |
<アーシャ> 私は応援が来るまでに、封印のある場所を ちょっと探っておこうと思うから。 | |
<シルファ> 私がいても邪魔なだけだから、追い返そうってわけか。 | |
<アーシャ> え? あの、そんなつもりじゃ・・・ | |
<シルファ> あっはっは、冗談だよ。 私が街に戻って、あんたが探る方が効率的だし 適材適所な良い判断だと思うよ。 | |
<シルファ> (それにしても、あれほどの力がありながら 随分と慎重な気がするけど・・・) | |
<シルファ> (どっちかっていうと、他人が危険な目に遭うことに ものすごく抵抗があるのかもしれないねぇ) |
<シルファ> というわけで、アーシャはまず北の方のを探りに行って 私は手紙を届けに行くことになったから。 | |
<ゼライド> そっかー。 何だか大事になってきやがったな。 | |
<シルファ> それにしても、王国軍のところに手紙を届けに 行くことになるとは思わなかったよ。 有名人は知り合いの質も違うねえ。 | |
<ゼライド> そんな人物とタメ口で話してるお前の気が知れん。 | |
<シルファ> 広い視野で見りゃ、私ら同じ「人間」だろ。 そんなもん気にするだけ損だって。 | |
<シルファ> で、怪我の方はもう大丈夫なのかい? | |
<ゼライド> ああ、もうばっちり回復したよ。 てことで、俺はアーシャさんを手伝いに行くぜ! | |
<シルファ> いや、あんた、また調子こいてヘマしそうだし 行き違いになるかもしんないから止めとけ。 | |
<ゼライド> そんじゃ、とりあえずここで待機してるよ。 | |
<シルファ> ん? 一緒に来ねえの? | |
<ゼライド> 手紙の届け先って王国軍の魔法研究所のとこだろ? ちょっと、近づきたくない事情があるんだよ。 | |
<シルファ> ああ、そういえば、あんた昔・・・ | |
<シルファ> そんじゃ、ぱぱっと行ってくるからさ。 大人しく待ってなよ。 | |
<ゼライド> おう、気をつけてな。 |
<アーシャ> (目的地にだいぶ近づいてきたけど 今のところ、敵の気配があまりしないね・・・) | |
<アーシャ> (もうちょっと、近づいても大丈夫かな?) |