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〜第4話〜

広がる異変



ジーナの家の前



<アーシャ>
それじゃ、機会があったら、また来ます。
<ジーナ>
いつでも寄っとくれ。
あの人面樹たちも、あんたのことは覚えたから
襲ったりせんでのう。
<アーシャ>
はーい、どうも、おじゃましましたー。


街に向かって森を進む


<アーシャ>
(さて、レナちゃんの村に顔を出してから
 街に戻ろうかな)


村の入り口


<アーシャ>
(ん? 村の入り口で誰か話をしてる・・・)
<女性>
ちょっとくらい手伝ってくれたっていいじゃねーかよ。
<村人>
申し訳ありませんけど、村での決まりを破るわけには
いかないんですよ。
<女性>
じゃあ、せめて、ナタかノコギリでも貸してくれよ。
<村人>
ええ、それならお安い御用です、少々お待ち下さい。
<女性>
くっそー、まいったな〜
1人じゃきついよなあ・・・
<女性>
ん?
お〜い、あんた、ちょっといいかい?
<アーシャ>
はい。
<女性>
良かったら、ちょっと手伝ってくれねえかい?
仲間が1人、森の中で罠にはまっちまってさ。
助け出すのにちょっと手間がかかりそうなんだよ
<アーシャ>
いいですよ、私で力になれるんでしたら。
ちょうど用事が済んだところですし。
<女性>
やー、助かるよ。
私はシルファってんだ。よろしくな
<アーシャ>
私はアーシャです。
<シルファ>
急で悪いけど、道具を借りたら直ぐ向かわせてもらうよ。
詳しい話は道中で説明させてもらうからさ。


というわけで、私はまた森へ入ることになりました。


森の中


<アーシャ>
植物で出来た牢に閉じ込められちゃったんですか。
<シルファ>
そうなんだよ。そいつがまた、切っても切っても直ぐに
伸びてきてさ。あいにくナイフしか持ってなかったし
1人じゃどうしようもできなかったんだよね。
<シルファ>
本当はもうちょっと人手が欲しいところだけど
2人でがんばりゃどうにかなるさっと、
着いたよ。
<シルファ>
おーい、生きてるかあ〜。
助っ人を連れて戻って来てやったぞ。
<男>
わりぃな、シルファ。
助っ人の方、どうぞよろしくお願いします。
<アーシャ>
あれ? その声は、もしかしてゼライド?
<ゼライド>
え? もしかしてアーシャさんっすか?
<シルファ>
なんだ、あんたら知り合いなのか?
<アーシャ>
同じギルドに所属してるんです。
<ゼライド>
アーシャさんが来てくれたなら
もう助かったも同然ですね。
ささ、得意の炎の魔法で焼き払っちゃって下さーい。
<アーシャ>
うーんと、ちょっと待ってね。
まずは剣で・・・
<アーシャ>
うわっ、ほんと直ぐに再生しちゃうね。
<アーシャ>
う〜ん、ここはやっぱり・・・
ゼライドになら遠慮はいらないし・・・
<アーシャ>
ゼライド、ちょっと水をかけるよ。
<ゼライド>
はい、って、え? なんでっすか?
って、うわっ冷たっ!
<アーシャ>
ちょっと、熱いかもしれないけど、我慢してねー。
シルファさん、ちょっと離れてて下さいね。
<ゼライド>
え? いや、ちょっと、何する気ですか!?


アーシャ「メキドフレア!!!」

アーシャの手から巨大な炎が放たれた


<ゼライド>
ぎゃー、あちっ、アッチ!
<シルファ>
(すげぇ、一瞬で焼き払っちまいやがった・・・)


しばらくしてから

<ゼライド>
ふぇー、死ぬかと思った・・・
<シルファ>
そっか、あんたがあの有名な深紅の魔法剣士さんかあ。
<アーシャ>
有名だなんて、そんなー、あはは・・・
<シルファ>
でも、ほんと、助かったよ。あんがとな。
<ゼライド>
もうちょっと手段を選んで欲しかったっすけどね。
<アーシャ>
ちゃんと調節できるから大丈夫だって。
<アーシャ>
ところで、さっきの罠、魔術系のかなり高度な
罠なんだけど、なんであんなものがこんなところに…
<ゼライド>
ああ、さっきのやつは罠というかなんというか、
ええと…、俺があんな状態になった経緯を説明するのが
手っ取り早いっすかね。
<ゼライド>
リーゼ鉱山の開鉱で需要が増えそうなボムストーンの
原料になる爆石鳥を捕まえるために、この先にある
湖へ行くところだったんすけど。
<アーシャ>
ああ、あの衝撃与えると爆発する
石みたいな鳥みたいなやつね。
<ゼライド>
そこで変なガキんちょに会ったんすよ。


回想シーン 始まり

<ゼライド>
よーし、もうすぐ湖だぞ、シルファ。
って、なんだよ、あいつまだあんなとこにいんのかよ。
<ゼライド>
しゃーねぇなあ。ちょっとここらで一休みするかあ。
<男の子>
ちょっと、そこのおじさーん。
<ゼライド>
あぁ!
この超美男子ゼライド様をおじさん呼ばわりするのは
どこのどいつだ?
<男の子>
あんた、自分でそんなこといって、恥ずかしくねえの?
<男の子>
まあいいや。こっから先は進まない方がいいよ。
最近、凶暴な魔物が現れ始めて危険だからね。
命の保障はできないよ。
<ゼライド>
この疾風のゼライド様にかかりゃあ魔物なんて
ちょちょいのちょいだぜ。ていうかお前こそ
とっとと家に帰ってママのおっぱいでも吸ってな。
<男の子>
はぁー・・・
人の忠告を素直に聞くようなタイプじゃないみたいだし
面倒だから、力ずくでいかせてもらおうかな。
<ゼライド>
なんだ? ケンカ売ってんのか、このガキャあ


突然、ゼライドの周りに植物がニョキニョキっと生えてきた。

<ゼライド>
って、うお、なんじゃこりゃ!?
<男の子>
ま、そこで2、3日くらい大人しくしてなよ。
魔法の効果もそのくらいで切れるからさ。
<ゼライド>
おいっ こら! 待てこの野郎!!


回想シーン 終わり

<ゼライド>
とまあ、そんなことがあったんですよ。
<アーシャ>
う〜ん、子供がいたずらで使えるような魔法じゃないし
ちょっと気がかりだね。
<アーシャ>
(洞窟で感じた森の全景からすると、湖を通り越すと
 たしか、エルデバームがそびえ立ってたはずだし…)
<アーシャ>
ちょっと、湖の方の様子を探ってみたいんだけど
ついてきてもらってもいい?
<ゼライド>
アーシャさんの頼みとあらば、喜んで!
<アーシャ>
シルファさんも、それでかまいませんか?
<シルファ>
かまわないさ。こいつを助けてもらった恩もあるしね。
でも、1つだけ条件をのんでもらいたいんだけどさ。
<アーシャ>
なんですか?
<シルファ>
さん付けも敬語もなし。お互いタメ口でいこうよ。
<アーシャ>
ああ、はい、じゃあ、遠慮なく・・・

よろしくね、シルファ。
<シルファ>
あぁ、こちらこそ、よろしく!


というわけで、私たちは湖へと向かいました。





<シルファ>
なんか、前に来たときよりも、魔物がだいぶ多いな。
<アーシャ>
そうなんだ。
<ゼライド>
(よし、ここは、普段「足手まといだ」と言って
 仕事に連れてってくれないアーシャさんに
 俺だってやればできるってアピールするチャンス!)






<アーシャ>
あ、あそこにいる魔物
私見たことないんだけど、2人とも知ってる?
<シルファ>
あの、あそこにいるやつか。
いや、私も見たことないな。
<ゼライド>
あんなヒョロヒョロしたやつ
俺が一撃で仕留めてやりますよ!
<アーシャ>
え、ちょっと、ゼライド、無駄な戦いは避けないと。
ていうか、不用意に近づいちゃダメだってば!
<ゼライド>
おりゃー!!


ギュルルルッ!!



<ゼライド>
ぎゃーー!!
<アーシャ>
(コマのように回転してゼライドを吹き飛ばした!?)
<シルファ>
くっ、回転したままこっちに向かってきてやがる。


アーシャ「フレイムバースト!」

ドガーン


<アーシャ>
(よし、回転が止まった。今のうちに!)


アーシャが剣で攻撃


<アーシャ>
(ふぅ、なんとか倒したけど
まったく、ゼライドは・・・)
<シルファ>
おい、大丈夫か?
<ゼライド>
大丈夫、大丈夫、これくらい、どうってこと
あ痛たたた・・・
<アーシャ>
全然大丈夫そうじゃ無いじゃない。
<アーシャ>
他の魔物も私たちを敵視し始めちゃってるみたいだし
とりあえず、私は周りの魔物を一掃してくるから
ゼライドはここで待機、シルファはゼライドを見てて。
<シルファ>
了解、気をつけてな。
<ゼライド>
くそ! この疾風のゼライドが
あ痛たたた・・・
<シルファ>
あんたにゃ疾風より湿布の方がお似合いだよ。


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