<アーシャ> それじゃ、機会があったら、また来ます。 | |
<ジーナ> いつでも寄っとくれ。 あの人面樹たちも、あんたのことは覚えたから 襲ったりせんでのう。 | |
<アーシャ> はーい、どうも、おじゃましましたー。 |
<アーシャ> (さて、レナちゃんの村に顔を出してから 街に戻ろうかな) |
<アーシャ> (ん? 村の入り口で誰か話をしてる・・・) | |
<女性> ちょっとくらい手伝ってくれたっていいじゃねーかよ。 | |
<村人> 申し訳ありませんけど、村での決まりを破るわけには いかないんですよ。 | |
<女性> じゃあ、せめて、ナタかノコギリでも貸してくれよ。 | |
<村人> ええ、それならお安い御用です、少々お待ち下さい。 | |
<女性> くっそー、まいったな〜 1人じゃきついよなあ・・・ | |
<女性> ん? お〜い、あんた、ちょっといいかい? | |
<アーシャ> はい。 | |
<女性> 良かったら、ちょっと手伝ってくれねえかい? 仲間が1人、森の中で罠にはまっちまってさ。 助け出すのにちょっと手間がかかりそうなんだよ | |
<アーシャ> いいですよ、私で力になれるんでしたら。 ちょうど用事が済んだところですし。 | |
<女性> やー、助かるよ。 私はシルファってんだ。よろしくな | |
<アーシャ> 私はアーシャです。 | |
<シルファ> 急で悪いけど、道具を借りたら直ぐ向かわせてもらうよ。 詳しい話は道中で説明させてもらうからさ。 | |
というわけで、私はまた森へ入ることになりました。 |
<アーシャ> 植物で出来た牢に閉じ込められちゃったんですか。 | |
<シルファ> そうなんだよ。そいつがまた、切っても切っても直ぐに 伸びてきてさ。あいにくナイフしか持ってなかったし 1人じゃどうしようもできなかったんだよね。 | |
<シルファ> 本当はもうちょっと人手が欲しいところだけど 2人でがんばりゃどうにかなるさっと、 着いたよ。 | |
<シルファ> おーい、生きてるかあ〜。 助っ人を連れて戻って来てやったぞ。 | |
<男> わりぃな、シルファ。 助っ人の方、どうぞよろしくお願いします。 | |
<アーシャ> あれ? その声は、もしかしてゼライド? | |
<ゼライド> え? もしかしてアーシャさんっすか? | |
<シルファ> なんだ、あんたら知り合いなのか? | |
<アーシャ> 同じギルドに所属してるんです。 | |
<ゼライド> アーシャさんが来てくれたなら もう助かったも同然ですね。 ささ、得意の炎の魔法で焼き払っちゃって下さーい。 | |
<アーシャ> うーんと、ちょっと待ってね。 まずは剣で・・・ | |
<アーシャ> うわっ、ほんと直ぐに再生しちゃうね。 | |
<アーシャ> う〜ん、ここはやっぱり・・・ ゼライドになら遠慮はいらないし・・・ | |
<アーシャ> ゼライド、ちょっと水をかけるよ。 | |
<ゼライド> はい、って、え? なんでっすか? って、うわっ冷たっ! | |
<アーシャ> ちょっと、熱いかもしれないけど、我慢してねー。 シルファさん、ちょっと離れてて下さいね。 | |
<ゼライド> え? いや、ちょっと、何する気ですか!? |
<ゼライド> ぎゃー、あちっ、アッチ! | |
<シルファ> (すげぇ、一瞬で焼き払っちまいやがった・・・) |
<ゼライド> ふぇー、死ぬかと思った・・・ | |
<シルファ> そっか、あんたがあの有名な深紅の魔法剣士さんかあ。 | |
<アーシャ> 有名だなんて、そんなー、あはは・・・ | |
<シルファ> でも、ほんと、助かったよ。あんがとな。 | |
<ゼライド> もうちょっと手段を選んで欲しかったっすけどね。 | |
<アーシャ> ちゃんと調節できるから大丈夫だって。 | |
<アーシャ> ところで、さっきの罠、魔術系のかなり高度な 罠なんだけど、なんであんなものがこんなところに… | |
<ゼライド> ああ、さっきのやつは罠というかなんというか、 ええと…、俺があんな状態になった経緯を説明するのが 手っ取り早いっすかね。 | |
<ゼライド> リーゼ鉱山の開鉱で需要が増えそうなボムストーンの 原料になる爆石鳥を捕まえるために、この先にある 湖へ行くところだったんすけど。 | |
<アーシャ> ああ、あの衝撃与えると爆発する 石みたいな鳥みたいなやつね。 | |
<ゼライド> そこで変なガキんちょに会ったんすよ。 |
<ゼライド> よーし、もうすぐ湖だぞ、シルファ。 って、なんだよ、あいつまだあんなとこにいんのかよ。 | |
<ゼライド> しゃーねぇなあ。ちょっとここらで一休みするかあ。 | |
<男の子> ちょっと、そこのおじさーん。 | |
<ゼライド> あぁ! この超美男子ゼライド様をおじさん呼ばわりするのは どこのどいつだ? | |
<男の子> あんた、自分でそんなこといって、恥ずかしくねえの? | |
<男の子> まあいいや。こっから先は進まない方がいいよ。 最近、凶暴な魔物が現れ始めて危険だからね。 命の保障はできないよ。 | |
<ゼライド> この疾風のゼライド様にかかりゃあ魔物なんて ちょちょいのちょいだぜ。ていうかお前こそ とっとと家に帰ってママのおっぱいでも吸ってな。 | |
<男の子> はぁー・・・ 人の忠告を素直に聞くようなタイプじゃないみたいだし 面倒だから、力ずくでいかせてもらおうかな。 | |
<ゼライド> なんだ? ケンカ売ってんのか、このガキャあ |
<ゼライド> って、うお、なんじゃこりゃ!? | |
<男の子> ま、そこで2、3日くらい大人しくしてなよ。 魔法の効果もそのくらいで切れるからさ。 | |
<ゼライド> おいっ こら! 待てこの野郎!! |
<ゼライド> とまあ、そんなことがあったんですよ。 | |
<アーシャ> う〜ん、子供がいたずらで使えるような魔法じゃないし ちょっと気がかりだね。 | |
<アーシャ> (洞窟で感じた森の全景からすると、湖を通り越すと たしか、エルデバームがそびえ立ってたはずだし…) | |
<アーシャ> ちょっと、湖の方の様子を探ってみたいんだけど ついてきてもらってもいい? | |
<ゼライド> アーシャさんの頼みとあらば、喜んで! | |
<アーシャ> シルファさんも、それでかまいませんか? | |
<シルファ> かまわないさ。こいつを助けてもらった恩もあるしね。 でも、1つだけ条件をのんでもらいたいんだけどさ。 | |
<アーシャ> なんですか? | |
<シルファ> さん付けも敬語もなし。お互いタメ口でいこうよ。 | |
<アーシャ> ああ、はい、じゃあ、遠慮なく・・・ よろしくね、シルファ。 | |
<シルファ> あぁ、こちらこそ、よろしく! | |
というわけで、私たちは湖へと向かいました。 |
<シルファ> なんか、前に来たときよりも、魔物がだいぶ多いな。 | |
<アーシャ> そうなんだ。 | |
<ゼライド> (よし、ここは、普段「足手まといだ」と言って 仕事に連れてってくれないアーシャさんに 俺だってやればできるってアピールするチャンス!) |
<アーシャ> あ、あそこにいる魔物 私見たことないんだけど、2人とも知ってる? | |
<シルファ> あの、あそこにいるやつか。 いや、私も見たことないな。 | |
<ゼライド> あんなヒョロヒョロしたやつ 俺が一撃で仕留めてやりますよ! | |
<アーシャ> え、ちょっと、ゼライド、無駄な戦いは避けないと。 ていうか、不用意に近づいちゃダメだってば! | |
<ゼライド> おりゃー!! |
<ゼライド> ぎゃーー!! | |
<アーシャ> (コマのように回転してゼライドを吹き飛ばした!?) | |
<シルファ> くっ、回転したままこっちに向かってきてやがる。 |
<アーシャ> (よし、回転が止まった。今のうちに!) |
<アーシャ> (ふぅ、なんとか倒したけど まったく、ゼライドは・・・) | |
<シルファ> おい、大丈夫か? | |
<ゼライド> 大丈夫、大丈夫、これくらい、どうってこと あ痛たたた・・・ | |
<アーシャ> 全然大丈夫そうじゃ無いじゃない。 | |
<アーシャ> 他の魔物も私たちを敵視し始めちゃってるみたいだし とりあえず、私は周りの魔物を一掃してくるから ゼライドはここで待機、シルファはゼライドを見てて。 | |
<シルファ> 了解、気をつけてな。 | |
<ゼライド> くそ! この疾風のゼライドが あ痛たたた・・・ | |
<シルファ> あんたにゃ疾風より湿布の方がお似合いだよ。 |