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<グレニア> う〜む、なるほどねえ。 |
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<グレニア> 子供達の面倒は私が見るから アーシャさんはルーファスを追ってくれないかい? |
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<アーシャ> はい。 |
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<グレニア> たぶん、ルーファスは大量の気を吸い取った副作用で 異常なまでに興奮状態になっているはずだ。 何をしでかすか分からないから、十分に注意してな。 |
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<アーシャ> わかりました。 |
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<グレニア> あと、森の奥の方は危険な魔物が多いから気をつけて。 |
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<アーシャ> はい、それじゃ、いってきます。 |
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<エリーシア> こらー! 待ちなさい!! |
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<ルーファス> どう、姉さん? 姉さんの足でも追いついてくるのがやっとでしょ? |
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<エリーシア> いい加減にしなさい、ルーファス! お願いだから、元のあなたに戻ってよ… |
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<ルーファス> 姉さんは、ひ弱で軟弱な 出来損ないのままの僕の方がいいの? |
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<エリーシア> 私はあなたのことを出来損ないだなんて 思ったことは、一度もないわよ! |
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<ルーファス> もう、うんざりなんだよ。誰かに守られて みじめな思いをするのは! |
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<ルーファス> 姉さんはいいよね。 家や弟のために健気にがんばる姉として皆に評価されてさ。 ダシにされる方は迷惑なんだよ! |
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<エリーシア> そんなの、あなたの思い込みよ! |
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<ルーファス> でも、もう、そんなこと、どうでもいいんだ。 この力さえあれば・・・ |
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<ルーファス> うっ・・・がっ・・・ |
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<エリーシア> ど、どうしたの、ルーファス |
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<ルーファス> そんな・・・力が・・・ぬけて・・・ だめ・・・いやだ・・・ |
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<ルーファス> そうか、もっとエネルギーが必要なんだ・・・ もっと、もっと吸い取らなきゃ・・・ 力を・・・力を!! |
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<エリーシア> もう止めて、ルーファス! お願いだから・・・もう・・・ |
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<アーシャ> (やっと見つけた!) |
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<アーシャ> ちょっと、エリー、大丈夫!? ねえ、エリーてばぁ!! |
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<アーシャ> ルー君、なんてことするの! |
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<ルーファス> 姉さんがいけないんだよ! 僕の気持ちなんて、ちっとも分かってくれない姉さんが・・・ |
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<ルーファス> うぅ…あぁ…、駄目だ、まだ・・・まだ足りないんだ・・・ でも・・・ |
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<アーシャ> (ルー君、とってもつらそう・・・ とにかく、どうにかしてルー君を止めなきゃ!!) |
ルーファスと戦闘 | |
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<ルーファス> まだ、まだ足りない・・・ |
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<アーシャ> もうやめようよ、ルー君。 ルー君は、ルー君のままでいいんだよ。 |
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<アーシャ> 真面目で素直なルー君。やさしくて思いやりのあるルー君。 グレニアさんの仕事を一所懸命に手伝うルー君。 エリーも私も、そんなルー君が好きなんだよ。 |
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<アーシャ> 力だけが強さじゃないよ。 ルー君は心の中にもっともっと素敵な強さを持ってるはずだよ。 |
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<アーシャ> お願いだから、 力に振り回されたりなんかしないで! |
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<ルーファス> アーシャさん、ごめんなさい。 僕・・・僕・・・ |
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<アーシャ> どうですか? みんなの具合は。 |
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<グレニア> 大丈夫だよ。子供達もエリーシアさんもルーファスも 命に別状はないし、2、3日はダルさが残るかもしれなけど しっかり休めば直ぐに元気になるよ。 |
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<アーシャ> よかった〜。 一時はどうなることかと思いましたよ。 |
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<グレニア> ただ、みんな精神的にいろいろと疲れているかもしれないね。 まあ、そこらへんのケアも私の仕事だからね。 心身共に元気になるようにしてみせるさ。 |
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<アーシャ> よろしくお願いします。 |
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<アーシャ> それにしても、あの、やさしいルー君が あんなにも強くなることを求めていたなんて・・・ |
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<グレニア> う〜ん、それはちょっと違うかな。 |
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<グレニア> ルーファスはただ強くなりたかったんじゃない。 認めて欲しかっただけなんだよ。 |
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<グレニア> 自分は1人でも大丈夫なんだ。だから心配しないでってね。 病弱でかわいそうな子としてじゃなく 普通の男の子として接して欲しかっただけなんだよ。 |
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<アーシャ> はあ、そういうものなんですか。 |
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<グレニア> 健康なのが当たり前の人間には、分かりえない心理さ。 エリーシアさんの心配性なところがルーファスには 逆に負担になってしまっていたんだよ。 |
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<グレニア> でも、まあ、今回の件で互いの意見をぶつけ合って いろいろと分かり合うことができることを願ってるよ。 |
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<ルーファス> う、う〜ん・・・ |
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<エリーシア> あ、ルーファス、起きた? |
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<ルーファス> あ、姉さん・・・ |
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<ルーファス> あの・・・その・・・ 本当にごめんなさい、ぼく、あんな酷い事を・・・ |
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<エリーシア> いいのよ、ルーファス。たまにはケンカもしなくっちゃ。 |
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<エリーシア> 感情をさらけ出して、ぶつかり合わないと 分からないこともあるものなのね。 |
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<エリーシア> 私の方こそごめんなさい。あなたの気持ちもわからずに 押し付けがましくお姉さんぶってばかりで。 弟ばなれできない、駄目な姉よね。 |
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<ルーファス> そんなことないよ。 それに、優しい姉さんのことはとっても好きだよ。 ただ、そんなに心配してもらわなくても、僕は平気だから。 |
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<エリーシア> そうね、あなたに対して失礼だったわね。 一人前の男の子なのにね。 |
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<エリーシア> グレニアさんも、あなたのことをとっても褒めてたわ。 ルーファスは人の痛みをわけってあげられるやさしい子だって。 勉強熱心だし、ぜひ、一緒に医者の道を進んで欲しいって。 |
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<ルーファス> そうなんだあ。なんだか、照れちゃうなあ。 |
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<エリーシア> これからも、そんな素敵なあなたでいてね。 |
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<ルーファス> うん。 |