〜第5話〜

それぞれが目指す高み



城下町




 今日はアレスティア王国の創立記念日です。
 城下町では創立記念祭が開催され、とってもにぎやかです。


 この日最大のイベントは何といっても武道大会です。
 私も女子の部に出場します。


 ルー君もお祭りを見にやってきているので
 一緒にいろんなところを回ろうと思います。


 エリーやクリスとも一緒が良かったんだけど、
 騎士団や王国関係者は記念式典の警備やら準備やらで
 みんな忙しいみたいです。
<アーシャ>
ところで、式典は見なくても良かったの?
<ルーファス>
はい、もう何度か見たことありますし。
<アーシャ>
そうだねえ。 つまんないしね。
エリーにそんなこと言ったら怒られちゃいそうだけど。
<ルーファス>
ははは…
それにしても、人がいっぱいですねえ。
<アーシャ>
うん、近隣の国の人もけっこう訪れるらしいからね。
<アーシャ>
迷子にならないようにね。
<ルーファス>
もう、そんな歳じゃありませんよぉ
<アーシャ>
それもそうだね
<アーシャ>
さて、屋台で何か食べ物でも買おうか。
<アーシャ>
あ、あのアップルパイなんて美味しそうじゃない?
でも、あっちのタルトも捨てがたいなあ。
<ルーファス>
そうですねえ。
<ルーファス>
(姉さんも、アーシャさんやクリスさんしかいないときだと
 こんな感じに、はしゃいだりするのかなあ)

しばらくして


<アーシャ>
いやー、どれもこれも美味しかったね。
ちょっと食べすぎちゃったよ。
<ルーファス>
ほんと、いろいろ食べましたからね。
<アーシャ>
あはは、ちょっとはしたなかったかな?
<アーシャ>
ところで今何時かわかる?
<ルーファス>
11時半ですよ。
<アーシャ>
じゃあ、まだ時間あるね。
向こうの丘の方にいってみない?
眺めのいい、とっておきの場所があるんだけど。
<ルーファス>
はい、ぜひ。

丘の上


<アーシャ>
とうちゃ〜く♪
<ルーファス>
わあ〜 いい眺めですね。
<アーシャ>
うん、街が一望できるでしょ。
私のお気に入りの場所なんだあ。
<アーシャ>
自分が守りたいものを
この目に焼き付けることが出来るから・・・
<ルーファス>
・・・
<アーシャ>
な〜んてね。 ちょっと、かっこよかった?
まあ、ある人の受け売りなんだけどね。
<ルーファス>
とっても、かっこよかったですよ。
<アーシャ>
ははは・・・
お世辞を言ってもなんにも出ないよ。




<???>
君も来ていたのか・・・
<アーシャ>
あ、こ、こんにちは。ライナス先輩
<ライナス>
試合前にこの景色を眺めておこうと思ってな。
<アーシャ>
そうですか。
<ルーファス>
(そうか・・・
 たぶんこの人がさっき言っていた人なんだろうなあ・・・)
<アーシャ>
式典の片付けはもう終わったんですね。
<ライナス>
ああ。
武道大会も予定通りの時刻に始まるはずだ。
<アーシャ>
それじゃ、そろそろ戻らなきゃ。
行こうか、ルー君
<ルーファス>
はい。
<アーシャ>
ライナス先輩も試合がんばって下さい。
応援してます。
<ライナス>
ああ、ありがとう。

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