〜第4話〜

たまには のんびり



城下町




今日はエリーシアとクリスと街に出かけました。
<アーシャ>
それにしても、よかったねえ、エリー
こうしてゆっくりできる時間が取れるようになって。
<アーシャ>
これもみんなレオン隊長のおかげだね。
<エリーシア>
アーシャも、あの盗難事件解決のためにがんばってくれて
本当にありがとうね。
<アーシャ>
私なんて、全然、全然。
結局、盗賊のリーダーには逃げられちゃったし、
2番隊が来てくれなかったら、大変なことになってたしさ。
<クリス>
2番隊といえば
あこがれのライナス先輩とは、最近どうなのよ?
<アーシャ>
ど、どうって別に何もないよー。
それに、ライナス先輩は、あこがれなだけで・・・
<クリス>
もー、だめよ、そんなんじゃあ。
もっと積極的にいかなきゃー。
<エリーシア>
そうねえ、ライナス副隊長は
そういうことに対して鈍感そうだし
こっちから何かしないと、何も進展しないわよ。
<アーシャ>
もー、エリーまで〜。ほっといてよ〜。
<クリス>
そうはいかないわよ。
大体、アーシャ、もうちょっとオシャレとかしたらどうなの。
いっつもそんな格好で。スカートとか はいたことあるわけ?
<アーシャ>
スカートなんかじゃ動きづらいよ〜。
<エリーシア>
短いスカートなら動きやすいんじゃない?
<アーシャ>
そんなんで戦ったら下着が見えちゃうよ〜。
<クリス>
よし、それでライナス副隊長を誘惑するのよ!
<アーシャ>
もー、わけわかんないこと言わないでよ〜
<エリーシア>
さすがにそこまではしないとしても
もうちょっと、お肌のケアとか気にした方がいいんじゃない?
<クリス>
そうよー、ただでさえ、険しい山やら洞窟やらいろいろ出かけて
さらに魔物と戦ったりしてるんだから
肌なんてすぐ荒れちゃうわよ。
<アーシャ>
そんなこと言われてもねえ・・・
<エリーシア>
そういえば、ルーファスが良く湯治に行く温泉があるんだけど
そこの温泉、美容にもいいらしいわよ。
<クリス>
あら、いいわね、それ。早速、今から行ってみない?
<アーシャ>
いや、私、午後からゴブリン退治の仕事があるから・・・
<クリス>
もー、そんな女の子らしくない仕事ばっかしちゃって〜
そんなの私とエリーで、やっといてあげるから
アーシャは温泉にいきなさい!
<エリーシア>
え? なんで私まで・・・
<クリス>
2人でやったほうが簡単だし早く済むじゃない。
とっとと終わらせて、そのあと私達も温泉に行けば万事OK。
<エリーシア>
私、あれ嫌いなんだけど。ブヨブヨしてるしグロテスクで。
クリスは魔法で遠距離攻撃するからいいかもしれないけど
私はあれを直接切らなきゃならないのよ。
<クリス>
だからこそ、エリーが代わりにやってあげるんじゃない。
そうと決まれば、さっさと行くわよ。
<エリーシア>
あーもー、わかったわよ。行けばいいんでしょ、行けば。
<エリーシア>
温泉の場所は、グラノール山に西から入って
タマリンドの林を越えて南にいったところだから。
それじゃ、またあとでね。
<アーシャ>
了解、じゃあね。
<アーシャ>
(クリスは一度言い出したら、きかないからねえ。
 う〜ん、エリー、ご愁傷様w)
<アーシャ>
(でも、温泉かあ〜、ちょっと楽しみかも♪)


 というわけで、私は温泉へと向かいました。









<ゼライド>
(ふっふっふ、美女が3人で温泉ですか・・・)
<ゼライド>
(これは覗かないわけには、いかないぜ!)


温泉


<アーシャ>
(ここがエリーの言ってた温泉だね。
 景色もいいし、いいところだねえ。)
<アーシャ>
(誰もいないし、早速入ろうっと)


温泉


<アーシャ>
ふ〜っ
(体の芯まであったまるなあ〜)
<アーシャ>
(エリーたち、今頃がんばってるかなあ。)
<アーシャ>
(そういえば、ゴブリン退治の仕事について
 詳しい話をしてないけど大丈夫かなあ。)
<アーシャ>
(クリスなら頭いいから大丈夫だよね。
 ギルドの受付で聞けばすぐわかることだし)
<アーシャ>
(それにしても、ほんと、気持ちいいなあ〜
 ごくらく、ごくらく♪)





<ゼライド>
(う〜む、湯煙ばっかで、全然見えないじゃないか・・・)
<ゼライド>
(しかしなあ、さすがにこれ以上近づくとやばいよなあ・・・)




<???>
あのー・・・
<ルーファス>
いったい何をされているんですか?
<ゼライド>
あん? お兄さんは今、忙しいんだよ。
ガキの見るもんじゃないし、帰った帰った。
<ルーファス>
って、あなたもしかして・・・
<ゼライド>
だー、静かにしろよ。
アーシャさんにバレちゃうじゃないかぁ。
<ルーファス>
アーシャさんって…え、あ、ちょっと!
<ルーファス>
覗きなんて良くないです!!
今すぐ止めてください!!!
<ゼライド>
あぁ? 男のロマンが、わからんのか。
俺のリビドーは誰にも止められんぞ!
<ルーファス>
そんなこと絶対させません!!
<ゼライド>
何すんじゃ、このクソガキがぁ!
って、おい、こら押すな!




<ゼライド>&<ルーファス>
うわー・・・
ドボーン!



<アーシャ>
きゃあ、ちょっと何?
<ゼライド>
アチッ、あちあちー、ったく、何しやがる、くっそー
<アーシャ>
その声はゼライド!
ちょっと、こんなとこで何やってんの!!
<ゼライド>
うわっ、やっばぁ〜。
いや、あねさん、これにはいろいろと深いわけがありまして・・・
<ゼライド>
けっして覗きなんてしてないです、はい!
<アーシャ>
問答無用!
ふっとべぇ〜!!




<ゼライド>&<ルーファス>
ぎゃーー・・・
<アーシャ>
あれ?
今、ゼライド以外の声もしたような・・・

温泉から出て


<グレニア>
はっはっは、災難だったなあ。ルーファス
<アーシャ>
ごめんね、ルー君。
まさかルー君も一緒にいるなんて思わなかったから。
<ルーファス>
いえ、大丈夫ですよ。着地場所も草がいっぱいで
特に怪我もありませんでしたし。
<ゼライド>
くっそー、なんで俺ばっか、岩に激突せにゃならんのだあ!
<アーシャ>
自業自得だよ全く。
後でエリーに牢屋にぶち込んどいてもらおうかな。
<ゼライド>
それだけはご勘弁を〜。
できれば、この縄も解いてくださ〜い。
<アーシャ>
だーめ!  今日はあとからエリーやクリスだって来るんだから。
みんなが温泉に入り終わるまで、そうしてなさい。
<ルーファス>
あ、姉さんも来るんですか。
<ルーファス>
あれ? ない・・・、ない・・・
<アーシャ>
ん? どうしたの、ルー君?
<ルーファス>
姉さんにもらった、懐中時計がどこにもないんです。
<グレニア>
う〜む、さっきの爆発で
飛んでってしまったかもしれないなあ。
<アーシャ>
えー!?
ごめんなさい。私、探してきますね。
<ルーファス>
いえ、そんな悪いですよ。
<アーシャ>
懐中時計って、この前に誕生日にエリーからもらったものでしょ?
そんな大切なもの、何としてでも探し出さなきゃ!
<ゼライド>
あねさん、俺も手伝います。
<アーシャ>
あんたはいいから、そこで反省してなさい。
<アーシャ>
爆発の位置から考えると
あっちの湿地帯の方に飛んでったかなあ?
<グレニア>
おいおい、そっちは魔物が出て危険だよ。
<アーシャ>
大丈夫です、任せといてください。
危険そうだったら、すぐに逃げてきますから。
<グレニア>
やれやれ。  まあ、アーシャさんなら大丈夫だろうけど、
はたして、見つけられるもんかねえ。

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