第3話 その2



洞窟内を探索中・・・


<アーシャ>
(む、こんなところに人がいるなんて・・・)
<ゼライド>
うっわ〜、見るからに怪しい人たちですねえ。
<ゼライド>
あ! アーシャさん、ありましたよ、トロフィー。
ほらあそこ。左の男の後ろの方。
やりましたね、当たりですよ!
<アーシャ>
うん、早速レオン隊長に報告しなくっちゃ。
<アーシャ>
私はここを見張ってるから、報告にいってきてもらえる?
<ゼライド>
わっかりました。この疾風のゼライドにおまかせあれ。
<アーシャ>
ゼライドがそんなふうに呼ばれるとこ、見たことないんだけど。
<ゼライド>
気持ちの問題っすよ。
<ゼライド>
とにかく、全速力で報告にいってきまーす。

スタタタタッ・・・

<アーシャ>
(確かに、足だけは速いけどねえ)
<アーシャ>
(さて、このまま大人しくしてくれてればいいけど・・・)
<盗賊>
親分、溶解炉の準備があと10分ほどで終わりやす。
<親分>
おう、わかった。準備が出来次第、すぐ溶かしちまうぞ。
<盗賊>
がってんでさぁ
<アーシャ>
(大変! 早くしないとトロフィーが溶かされちゃう!)
<アーシャ>
(多勢に無勢だけど、どうにかスキをついて退治できないかなあ?)


盗賊と戦闘

勝利


<親分>
クソ、この役立たずどもが!
<アーシャ>
自分も捕まっといてよく言うよ
<アーシャ>
それにしても、ちょうど縄があって良かった。
これでもう、みんな動けないでしょ。観念しなさい。
<親分>
ちくしょ〜。オレ様が女なんかに遅れを取るとは・・・
<アーシャ>
(さて、あとは応援を待つだけだね)
<親分>
( くそぉ〜、こうなったら・・・)

カチッ

ドガーーン!

ガラガラガラ・・・
<アーシャ>
きゃあ、何?
<親分>
はっはっは!自爆装置を作動させた。
ここはもうじき、跡形もなく崩れ落ちるぞ!
<アーシャ>
なんですって!?
って、いつの間にか縄まで解けてるし!
<親分>
あんなチャチな縛り方でオレ様を拘束できるとでも思ったか!
それじゃあな、あばよ!
<盗賊>
そんな〜、親分、うちらも助けてくださいよ〜
<アーシャ>
(まいったなあ〜。この人たちとトロフィーを置いて
 逃げるわけにもいかないし、縄を解いたら逃げられちゃうし)
<ゼライド>
大丈夫ですか、あねさ〜ん!
二番隊の皆さんを連れてきましたよ〜
<アーシャ>
ゼライド、グットタイミング!!
<ライナス>
各自、2人1組で盗賊かトロフィーを持って洞窟から撤退!
手の空いているものは先行して退路の確保!
シンガリは俺が務める!
<アーシャ>
ライナス先輩、どうもありがとうございます。
<ライナス>
アーシャ、なぜ我々が来るまで待ってなかった。
<アーシャ>
え、あのー、トロフィーが溶かされちゃいそうだったので・・・
<ライナス>
そうか・・・
<ライナス>
トロフィーには代わりがあっても、君に代わりはいない。
一時の感情に流されて無茶な判断をするのは君の悪い癖だ。
<ライナス>
今回は無事だったから良かったものの、失敗していたらどうするつもりだ。
<アーシャ>
すみません・・・
<ライナス>
今はとにかく脱出だ。
<アーシャ>
はい。

洞窟の外


<親分>
ふう、やれやれ。
また、新しいアジトを探して、子分も集めねぇとなあ。
<???>
おい・・・
<親分>
おっと、あんたか。脅かすなよ。
<親分>
まあ、ちょうど良かった。
また、新しい仕事を紹介してくれよ。

ズシャッ!

<親分>
がっ・・・
てめぇ、何しやがる!
<???>
必要なくなった駒は
盤上に残っていても邪魔なだけなんでね。
<親分>
な、なんだと、このやろう・・・

ズブシュ・・・

<親分>
げはぁ・・・
<???>
・・・・

洞窟の外


ゴロゴロゴロ・・・
ズシャーーン・・・
<ゼライド>
いやあ、何とか脱出できましたねえ。


 こうして私達は無事に洞窟から脱出しました。


 盗賊の親分には逃げられましたが、トロフィーは無事に奪還でき、
 盗賊の証言や状況証拠から、犯人と政府関係者の一部との癒着も 
 明らかにすることができました。


 そして、これを機に、レオン隊長の計画していた
 王国政府と王国軍の体制の一新と
 政府や軍の行っていた業務の一部を自警団やその他組織へ
 委託する施策が実施されることとなりました。


 最初は政府や軍の今までの横暴に対する不満の声が
 大きかったですが、レオン隊長がいろんなところに
 謝ってまわったりするなど、誠意ある対応により
 なんとか丸く収まりました。

第4話へ

目次に戻る