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〜第1話〜

森に行ってみよう





私はアーシャ。
魔物退治や冒険者の護衛、遺跡探索の付き添いとか
そういう仕事をしてる、いわゆる「何でも屋」です。

今日は、遺跡探索へ行く学者さん達の
護衛の仕事が予定より3日ほど早めに片付いたので、

他に何か仕事がないか、
ギルドへ探しに向かうところです。
<アーシャ>
(ギルドに仕事を探しに顔を出すのも久しぶりだな〜。
 直に仕事を依頼してくる人が多くなったしね)

ガチャ

<アーシャ>
こんにちは。
<ギルドのマスター>
いらっしゃい。
<アーシャ>
何か良い仕事あります?
<ギルドのマスター>
珍しいですね。引く手あまたのアーシャさんが
仕事を探しに来るなんて。
<アーシャ>
前の仕事が予定よりも大分早く片付いたおかげで
丁度手が空いてるんですよ。
<ギルドのマスター>
小さな仕事がいくつかありますけど、これくらいの
依頼は、できれば新人の試金石に使いたいんですよね。
<アーシャ>
そうですかあ。
それじゃあ、あとで、お城の方にでも行ってみます。
<アーシャ>
あとは、何か変わった出来事や
役に立ちそうな情報って、何か入ってます?
<ギルドのマスター>
う〜ん、そうですねえ。
もうすぐリーゼ鉱山の開鉱準備が整うらしいので
近々、鉄の値段が下がるでしょうね。
<ギルドのマスター>
あとは、最近、クレイオスの森での作物の収穫量が
全体的にあまり芳しくないようです。
<ギルドのマスター>
あと、今ある情報といったら
王族の恋愛スキャンダルくらいですかね。
<アーシャ>
わかりました。
どうもありがとうございます。
<アーシャ>
それじゃあ、私はこれで。
<ギルドのマスター>
はい、いつでもいらしてください。

クリスに会いに、魔法研究所へ移動



<アーシャ>
というわけで、暇だから
何か用事があれば手伝うよ。
<クリス>
そうねえ。う〜ん・・・
研究用の材料で不足してるものも、特にないし、
これといって特にはないけど。
<アーシャ>
そっかー、残念。
<クリス>
たまにはゆっくり休んだらどう?
<アーシャ>
まあ、それもありかな〜。
<アーシャ>
そういえばさあ、クレイオスの森での
作物の収穫量が良くないらしいんだけど
何か心当たりある?
<クリス>
あら、そうなの? あの森は魔導設備で
森全体の環境や魔力の流れが管理されているから
そういうことは、そうそう起こらないはずだけど。
<アーシャ>
え? あのでっかい森の中にそんな設備があるの?
<クリス>
設備というと、語弊があるかもしれないわね。
え〜と・・・
<クリス>
国立中央公園の真ん中に、大きな木があるでしょ?
<アーシャ>
うん。
<クリス>
あれは、植物本来の水や空気の浄化作用の他に
周囲の魔力の分布を検知して均等に整えたり、
<クリス>
悪い気を吸って浄化したりできるように
うちの研究所で工夫して育てられた木なのよ。
<アーシャ>
へー、そうなんだあ。
<クリス>
それの、もっともっと大掛かりなものが
クレイオスの森の奥にあるのよ。
<アーシャ>
なるほど。
<クリス>
確か『エルデバーム』って名前だったかしら。
中央公園の木も、そのエルデバームを参考に
開発されたそうよ。
<アーシャ>
よ〜し、それじゃあ、そのエルデバームを
見に行ってみようかな。
<クリス>
ほんとアーシャは好奇心旺盛ね。
森の奥にはあまり知られていないような魔物も
いるだろうから、気をつけなさいよ。
<アーシャ>
わかってるって。
それじゃ、また来るね。


こうして私はクレイオスの森へと
向かったのでした。

森の入り口



<アーシャ>
(だんだんと木が増えて来たね。
 森の中心部に進む前に、まずこの周辺から
 探索を進めていこうっと。)
<アーシャ>
(集落がいくつかあるらしいから、
 そこの人たちに何か話が聞ければいいんだけど…)
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