私はアーシャ。 魔物退治や冒険者の護衛、遺跡探索の付き添いとか そういう仕事をしてる、いわゆる「何でも屋」です。 | |
今日は、遺跡探索へ行く学者さん達の 護衛の仕事が予定より3日ほど早めに片付いたので、 | |
他に何か仕事がないか、 ギルドへ探しに向かうところです。 | |
<アーシャ> (ギルドに仕事を探しに顔を出すのも久しぶりだな〜。 直に仕事を依頼してくる人が多くなったしね) |
<アーシャ> こんにちは。 | |
<ギルドのマスター> いらっしゃい。 | |
<アーシャ> 何か良い仕事あります? | |
<ギルドのマスター> 珍しいですね。引く手あまたのアーシャさんが 仕事を探しに来るなんて。 | |
<アーシャ> 前の仕事が予定よりも大分早く片付いたおかげで 丁度手が空いてるんですよ。 | |
<ギルドのマスター> 小さな仕事がいくつかありますけど、これくらいの 依頼は、できれば新人の試金石に使いたいんですよね。 | |
<アーシャ> そうですかあ。 それじゃあ、あとで、お城の方にでも行ってみます。 | |
<アーシャ> あとは、何か変わった出来事や 役に立ちそうな情報って、何か入ってます? | |
<ギルドのマスター> う〜ん、そうですねえ。 もうすぐリーゼ鉱山の開鉱準備が整うらしいので 近々、鉄の値段が下がるでしょうね。 | |
<ギルドのマスター> あとは、最近、クレイオスの森での作物の収穫量が 全体的にあまり芳しくないようです。 | |
<ギルドのマスター> あと、今ある情報といったら 王族の恋愛スキャンダルくらいですかね。 | |
<アーシャ> わかりました。 どうもありがとうございます。 | |
<アーシャ> それじゃあ、私はこれで。 | |
<ギルドのマスター> はい、いつでもいらしてください。 |
<アーシャ> というわけで、暇だから 何か用事があれば手伝うよ。 | |
<クリス> そうねえ。う〜ん・・・ 研究用の材料で不足してるものも、特にないし、 これといって特にはないけど。 | |
<アーシャ> そっかー、残念。 | |
<クリス> たまにはゆっくり休んだらどう? | |
<アーシャ> まあ、それもありかな〜。 | |
<アーシャ> そういえばさあ、クレイオスの森での 作物の収穫量が良くないらしいんだけど 何か心当たりある? | |
<クリス> あら、そうなの? あの森は魔導設備で 森全体の環境や魔力の流れが管理されているから そういうことは、そうそう起こらないはずだけど。 | |
<アーシャ> え? あのでっかい森の中にそんな設備があるの? | |
<クリス> 設備というと、語弊があるかもしれないわね。 え〜と・・・ | |
<クリス> 国立中央公園の真ん中に、大きな木があるでしょ? | |
<アーシャ> うん。 | |
<クリス> あれは、植物本来の水や空気の浄化作用の他に 周囲の魔力の分布を検知して均等に整えたり、 | |
<クリス> 悪い気を吸って浄化したりできるように うちの研究所で工夫して育てられた木なのよ。 | |
<アーシャ> へー、そうなんだあ。 | |
<クリス> それの、もっともっと大掛かりなものが クレイオスの森の奥にあるのよ。 | |
<アーシャ> なるほど。 | |
<クリス> 確か『エルデバーム』って名前だったかしら。 中央公園の木も、そのエルデバームを参考に 開発されたそうよ。 | |
<アーシャ> よ〜し、それじゃあ、そのエルデバームを 見に行ってみようかな。 | |
<クリス> ほんとアーシャは好奇心旺盛ね。 森の奥にはあまり知られていないような魔物も いるだろうから、気をつけなさいよ。 | |
<アーシャ> わかってるって。 それじゃ、また来るね。 | |
こうして私はクレイオスの森へと 向かったのでした。 |
<アーシャ> (だんだんと木が増えて来たね。 森の中心部に進む前に、まずこの周辺から 探索を進めていこうっと。) | |
<アーシャ> (集落がいくつかあるらしいから、 そこの人たちに何か話が聞ければいいんだけど…) |